ちょっとしたひとりごと

大好きな人たちが伝説になるらしい どんな未来だとしても乗り越えていくんだ、彼らならきっと。

海のむこうへいければ、この街さえでれれば

 

 

オートリバースの感想をどうしても書きたい。

 

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行きすぎた解釈が多いかもしれないけど、もし読んでくださる方がいらっしゃったら最後まで温かい目で見守ってくださいな。

 

※ネタバレ含む‼️

まだ結末を知りたくない人Get Out‼️‼️

(そおや?)

 

 

大好きな2人が主演をつとめるからかな、そういう先入観ももしかしたらあるかもしれないけど、今年読んできた本の中で1番だった。

 

時間が経過していく中で直の心情がとにかく細かく記されていて、高階への憧れと少しばかりの嫉妬と遠くへ行ってしまう寂しさと、変わっていく親衛隊への違和感と、世間への苛立ちと無力な自分への苛立ち。

 

ほんの少しの当たり障りのない描写さえもすごく美しくて鮮明で、時に残酷なほどだなと思った。

 

序盤の自分の影の濃淡を気にする直の心情と、直の目に映る高階の活発で屈託のない、「自分(直)とは真逆」の印象から、この物語は高階が光、直が影で対照的な2人の関係を描いていくのかなと思ってた。最後まで読んでみて実際、そんな単純なものには感じられなくて。直にとって多くの人を惹きつけてトップに立つことができる頼もしい存在でありつつも、直の前ではどこか能天気且つ無邪気で人懐っこい高階は光だったし、高階にとってもいつまでも変わらなくて優しくてまっすぐな直は間違いなく光だったよね。そしてお互いが影でもあった。

 

ただ、2人のコントラストだけではなくて物語自体にも光と影があって。

2人の出会いから親衛隊になりたての部分までのようやく2人にとって熱中できる、自分たちの居場所を見つけられた日々が光だとしたら、高校生になって直と高階の関係が少しずつズレていってしまう辺りからあまりにも唐突で残酷な最期までが影。

物語自体にもコントラストがあったからこそ、2人が親衛隊として1人の女の子に捧げた青春と2人の危うくも強い結びつきの儚さが際立っているし、変わりたくない、変えたくないものが時間が経つにつれて、大人になっていくにつれて変わっていってしまう無常さに終始胸が締め付けられた。全部完全に個人の見解。

 

読み終えた直後のこの高揚感とたまらなく胸がギュッとなる感覚を残しておきたくてはてブを書き始めたのに心の中がグチャグチャで本当にまとまらない……困ったもんだ………

 

正直、こんなにもオートリバースの世界にハマり込んでる自分がいてびっくりしてる。大好きないがさくが主演をつとめるなら原作読んでおかなきゃな〜っていつもみたいな気持ちで気軽に手にしたつもりが、最初の数ページで高崎卓馬さんの言葉選びに心地よさを覚えてた。

 

あと随所に心に刺さるフレーズが溢れてたな。

 

 

世間から不良品扱いされるから不良が生まれるんだ。世間は不良品を生む自分たちのほうに欠陥があるなんて欠片も思わないから、自分たちで自分たちの居場所をつくるしかないんだ。

 

 

刺さった グサグサに刺さった。

気付いたら多数派が当たり前の世界。マイノリティでいることが恥ずかしいことと感じてしまう、というか他者によって感じさせられる場面が多い窮屈な世の中だなと思う。多数派でいることが絶対的に正しいなんてことはないのに同調圧力に屈せざるを得ない。

 

でも集団内にいると安心感があるもんね。誰かと一緒だと守られているとか、安全だと思ってしまうけどそんなのは錯覚だし、物事の本質なんか見れていないんだよね。これは前々から疑問を抱いていたことでもあるんだけど。それが当たり前になってしまってるんだよなぁ。おかしいなぁ。だからこそこの件が私の就活の軸になっていたりもして。そんな話はどうでもいい。

 

集団から外れてしまわないように。みんなの当たり前を自分にとっての当たり前にできなきゃ不良品。

 

本当に?もっと大事なものがある。

 

改めて色々と考えさせられた。オートリバースは1980年代のお話だけど、直の視点をはじめ、この物語は現代にも通ずる部分が多々あると思うんだよね。

 

私の直に対するイメージの中に、社会に対する憂いとか嘆きがあるんだけど、直はそれを誰かにぶつけることもなく心中でボロクソに呟いてる。言ったところでどうにもならない。何も変わらない。最初はそういう風に何もかも諦めてる印象を受けたんだけど、それが高階と小泉今日子に出会って、親衛隊に入って自然と変わったよね。直がワクワクしてると読み手の私はとても嬉しい。その理由を作ってくれたのが高階だと思うと尚更嬉しい。

 

親衛隊として1人のアイドルを1位にするために熱中する直と高階の姿には

「わかる、わかるよ」と深く頷いちゃったな。

私もそうだもん。大好きな人たちには、

やっぱりどこまでも大きくなってほしい。

 

そして、高校生になって少しずつ溝ができて変わってしまう2人の関係。

物語は直目線で話が進んでいくから、いつの間にか親衛隊を大きくすることに夢中になって、少しずつ変わってしまう高階を見つめる直の気持ちが痛いほど伝わってきて自分のことみたいに胸が痛くて。高階目線の話も読んでみたいなと思ったのも正直なところ。

 

ここから一気に物語が動き出す。

 

変わり果てた親衛隊、これには今にも当てはまることがあるなと思った。 

あらゆる技術の発展で、自分たちの処理し切れない量の情報が目の前に溢れてる。知りたいこと、知りたくないこと、そんなのに関係なくいつでも何かしらの情報に触れてる。だからこそ、本人たちの元へ知りたくもないであろう声が昔よりも容易く届いてしまうし、指一本で相手を地獄に突き落とすことが誰にでもできてしまう。顔が見えないというだけで人は無駄に気が大きくなる。

おかしいよね。初めは純粋に「好き!」って気持ちだけで毎日がキラキラしていたのに、本気になればなるほど周りが見えなくなって、気づいたら大好きな人たちに迷惑をかけたり、時に傷つけてしまうこともある。

大好きなだけなのに。

 

私はHiHi Jetsにさらにビックになってほしい。

新国立競技場でライブもやってほしいし、

ビルボードにも載ってほしい。

そしてもちろん、

伝説のグループになってほしい。

 

でもこの目標を達成するには5人に「あれやってこれやって!」とお願いするだけではダメで、たくさんたくさん幸せを貰ってる分、きちんとありがとうの想いを形にして返していかなきゃいけない。HiHi Jetsがいくら素晴らしい5人でも彼らを写す鏡であるファンが足を引っ張るようなことをしたら伝説にはなれない。

 

応援の仕方、

絶対に間違えちゃいけないなと思った。

 

私はHiHi Jetsを応援していて、作間くんを応援していてすごく思うんだけど、誰かを想う気持ちって本当にすごいよね。

姿が見れるだけで幸せ。声が聞けるだけで幸せ。今日もこの世界で、同じ空の下のどこかで元気に生きていてくれるだけで、私も頑張らなきゃな、と生活の原動力になる。

冷たく言ってしまえば、さっき挙げたHiHi Jetsの夢は私にとって「他人事」なのに受け取り手を本気にさせてしまうアイドルはすごい。誰かの夢が自分の夢になる。そんなことが本当にあるんだと、HiHi Jetsを応援して初めて知った。

その一方で、文章にもあったようにそんな大勢の人たちの想いを常時笑顔で受け止めるアイドルってやっぱりすごいよね。時に抱え切れないほどの荷物を1人で背負わせてしまってるのかもしれない。そう考えるとちょっと苦しいけど、大好きな人たちが歩み続ける限り、私はその姿を全力で追いたいなと思った。

彼らがステージに立ち続けてくれることへの

感謝を忘れずに。

 

1冊の小説を通してHiHi Jetsに対する、作間くんに対するクソデカい感情が止まらなくなってしまっている。

 

絶対、伝説になろうな。(いや脈絡)

 

ガリさんが聴覚からの情報しかない分、「自分の好きな情景を選択して楽しめる(ニュアンス)」と言ってくれていたけど、高崎さんの登場人物や風景の描写がストレート過ぎず、かといって抽象的すぎない絶妙なラインで、スパッと明確に情景が想像できちゃう。なんなんだこれは…

 

あと改行とセリフの使い方が印象的だった。

特にセリフは短めのものがいくつも連続していてテンポが良くて本当に会話をイメージしやすかった。計算なのかな?(計算だろ)とにかくすごい…!私のイメージする直と高階の会話のテンポと、いがさく2人の演じる直と高階の会話のテンポの擦り合わせをするのが楽しみでしょうがない。

 

ここまでオートリバースについてたくさん書かせてもらったけど、忘れちゃいけないのが

主題歌ドラゴンフライ。

 

諸々の情報が解禁された直後の私⬇️

 

オートリバース?小泉今日子の親衛隊??

それなのにドラゴンフライ?とんぼ??

 

と、とにかくはてなが盛り沢山で、、、笑

そもそもオートリバースとはなんぞや、ということから知る(いがさくと同じスタート地点😄ルン)

でも、11/28にあったIsland FESで初めてドラゴンフライを聴いて、そのあとオートリバースを読み終えて全ての点が繋がった。

オートリバースを読んだ上でドラゴンフライを聴くとこれまた良い。そしてどうしようもなく胸が痛い。

 

 

この胸の穴はあなた

 

 

柔らかく透き通った声で歌う作間くんの声が

妙に高階を連想させる。

 

 

この胸の穴はあなた

 

 

ガリさんの歌うぽっかりと空いた穴、

決して埋まることのない直の穴。

 

ガリさん、めちゃくちゃ良い表情してたな〜。本当に小泉今日子を、ヒメを、高階を想う直の顔だと思った。2人とも役者の顔してた。

 

小説の中で直に泣くなと約束する高階。最期の最後まで。本当に強くて優しい人だと思った。でも気付いていたんだろうか。直が涙を流すほとんどの理由が高階を想ってる時だったこと。

 

何かを得るとき、必ずひとは何かを失うんだ

 

 

隠れたキーパーソン、生写真のおじさん。物語の真髄を捉えた、深くて鋭い言葉だよね。さっきのいがさくパートにもリンクするなと思った。

全部は手に入らない。胸に空いた穴は失ったものや失ったその人自体でしか埋まらないと思うんだ。でもその穴を別のもので無理矢理覆ってしまったら、失ったものやその人との思い出にまで蓋をしてしまうような気がするから、例え胸に空いた穴や傷が痛くても大事に大事に抱えて生きていくんだろうね、人間って。

 

チョクはすぐ謝る。そのクセ直せ。お前は俺がいなくても生きていけんのか

 

 

何もかも見透かしてしまっている高階が本当にずるい。わかっているならどうして。ここ、涙が溢れて止まらなかったなぁ

 

 

正直、冒頭にあまりにも辛すぎる結末への何よりもの伏線がはられていたのに読み進めるにつれて直と高階の2人が築く青春が眩しくて楽しくてそこにばかり意識がいってしまって、すっかり忘れてしまってた。読み進めれば進めるほど光がどんどん遠くに、どんどん小さくなっていってしまう感覚があった。高階の瞳がいつまでもエメラルドグリーンのままであってほしかった。

 

ドラゴンフライはオートリバースの作者である高崎卓馬さんが作詞をしてくださった歌なのでオートリバースを読み終えて全て内容を把握した上でドラゴンフライを聴いた時の胸の痛さは凄まじかった。オートリバースの中で散りばめられていた伏線が全てドラゴンフライで回収される感覚。それを気持ち良く感じつつも、全部が繋がった瞬間やっぱりそれ以上にどうしようもなく切ない。純粋に小説や高崎卓馬さんのファンでオートリバースを読んだり、ラジオを聴く方にも是非ドラゴンフライを聴いて欲しいなと思う。

 

読みながらずっと考えていたこと。

なんで高崎さんは2人の中学生から高校生に渡る青春の日々に「親衛隊」を選んだんだろう?読み終えてもやっぱりどうしてもわからない。

 

でもなんとなくだけど私は、

人のために夢中になれる、一生懸命になれることの素晴らしさを親衛隊という形を通して表現してるのかなと思った。歳を重ねれば重ねるほど人間の嫌なところ良くないところが見えたり、そうはなりたくないと思っているのに自分もそういう風に染まってしまったり。そうなる前の貴重な青い時代に、純粋無垢なまま大好きな人のために熱中する若い2人の姿を描きたかったのかな。そんな2人を通して自分にもそんな過去があったな、とあの頃の純粋な気持ちを現代を生きる人々に思い出させてくれるきっかけを与えてくれたのか。少なくとも私にはそう読み取れるところがあったな。「誰かのためにすること」が実は何よりも自分の存在意義だなって。ちょっと的外れな見解になってしもた。

 

みんなはどう思う?

 

ここまで長々と書いてしまい、かなりの方が途中で読むのをやめてしまったと思う、、なんせ大学のレポート課題1つ分は優にある、、、

 

それでは最後に。

 

高崎さん、どういう経緯でかはわからないけどHiHi Jetsを見つけてくださってありがとうございます。HiHi Jetsをイメージにしてオートリバースという素晴らしい作品を、ドラゴンフライという素晴らしい楽曲を生み出してくれてありがとうございます。そして、猪狩蒼弥くんと作間龍斗くんが現役高校生のうちにこのラジオドラマの主演という大役をつとめさせてくれてありがとうございます。

 

彼らを応援していて、こんなにも素敵な作品に出会えて良かった。オートリバースを通して登場人物たちに感情移入して、その物語自体に魅了されたのはもちろんのこと、改めて現代を生きる自分と、アイドルを応援すること、自分が夢中になれることや大切で守りたいものについて考えさせられました。

 

あーーー!!!12/7から始まるラジオドラマが楽しみでしょうがない!!!!声のみでいがさく2人が直と高階をどうやって演じるのか。

 

 

1つだけ言えるのは、ますます大好きな作品になることは間違いないね(鼻息大荒れ)

 

たくさんの人に愛される作品になりますように